坂本昌史弁護士は金銭着服をしたのか

 

 坂本昌史弁護士が業務停止3カ月の懲戒処分を受けた理由

 

 懲戒請求をされたことを不服として、逆に損害賠償を申し立てた、萩谷麻衣子(本名:佐々川麻衣子)弁護士の訴訟代理人を、なんと業務停止3カ月の懲戒歴のある坂本昌史氏(東京・弁護士法人アーバンフォレスト、社会福祉法人俊真会理事長))が務めていることは、前回述べました。

 では、坂本昌史氏は一体何をして、東京弁護士会から業務停止3カ月という重い懲戒処分を受けることになったのでしょうか。

 懲戒処分の内容は、日本弁護士連合会の機関紙「自由と正義」に掲載されています(※1)。これを要約すると、

 

「坂本昌史氏(東京・弁護士法人アーバンフォレスト)は、2005年に顧問先のA社から債務整理を受任したが、A社の了解を得ずに、違法金利を含む不正な債務返済をしたうえ、A社の手形を偽造して勝手にC社へ債務を返済した。そしてA社をクビになり、A社から預っていた金を返すよう求められたが、1774万5000円を自分の報酬だと称して着服し、A社に返さなかった」

 

 ということのようです。懲戒内容を読む限りは、ほとんど業務上横領といってもいい行為であるように読めます。懲戒処分とはいっても、基本的には弁護士が弁護士を裁く内輪の話ですから、犯罪を犯すぐらいでないと、業務停止3カ月という懲戒処分にはならないのでしょう。

最終的に1774万5000円を返したのかどうかは「自由と正義」の掲載記事には何も書かれていませんが、懲戒処分を受けているのだから、返している可能性はあります。返していなければ、訴訟を起こされているでしょう。

 

「昼夜を問わず働いて違法行為をしたので

月収1774万円もらいます」

 

 業務停止3カ月の懲戒処分を受けたことについて、坂本昌史氏(東京・弁護士法人アーバンフォレスト)は反省されていると思っていました。しかし、そうではないようなのです。坂本昌史氏が代理人を務めている損害賠償請求訴訟の答弁書で、懲戒処分について坂本昌史氏自身から反論がありました。坂本昌史氏は、現在でも東京弁護士会の処分が不当なものだったと考えているようです。その主張(※2)を要約すると、以下のような内容です。

 

「私(坂本昌史弁護士)は昼夜問わず働いたのに、突然顧問先からクビになり、報酬ももらえなかったので、報酬の交渉をしてもらうために、預り金から1774万5000円を抜いて返さなかった。最終的には抜いていた1774万5000円も返した」

 

 つまり坂本昌史氏は、「理由なくクビになり、報酬をもらえなかったのだから、『横領』には正当な理由があった」と主張しているのです。

 しかし、この説明には不可解な点がいくつかあります。まず坂本昌史氏(東京・弁護士法人アーバンフォレスト)は、顧問先から「突如解任された」と述べ、理由がなく予期できない解任であったと述べていますが、東京弁護士会によれば、坂本昌史氏はその直前に債務整理で不正な債務返済や手形偽造をしていたのですから、解任されたのはむしろ当然であったと言えます。そんな不正行為を続けている弁護士を雇い続ける会社などいるはずがありません。なぜ坂本昌史氏が「突如解任された」などと言い、かつての依頼人に責任があるかのような説明するのかは不可解です。

 また坂本昌史氏は、受任した仕事で不正な債務整理をしたうえ、手形を偽造までしてクビになったというのに、それでなぜ、報酬をもらえると思ったのかも不可解です。坂本昌史氏はむしろ、損害を弁済しなければいけない立場だったのではないでしょうか。にもかかわらず、懲戒処分を受けた坂本昌史氏が今でも「昼夜問わず働いたのだから報酬を受け取るのが当然だった」「悪いのは突然私を解任したA社代表者だ」と言わんばかりの主張を続けていることには驚かされます。

 

「一度盗んだけれど、

後で返したから盗んだわけではない」

 

 加えて、東京弁護士会によれば「坂本昌史氏は預り金から報酬額として勝手に1774万5000円を抜いた」ことになりますが、坂本昌史氏は「業務報酬額を決める協議に応じてもらうために預り金の一部の返還を留保した」と主張していて、金を抜いた理由に関する両者の言い分は完全に食い違っています。おそらく、坂本昌史氏が報酬額1774万5000円を請求した事実があるかどうかについて、坂本昌史氏と東京弁護士会の事実認定は食い違っているのでしょう。

 また言うまでもなく、1カ月半の仕事で報酬1774万5000円というのはあまりに暴利です。日弁連の弁護士の報酬に関する規程で、弁護士は報酬基準の事前明示義務や契約書の作成を義務付けられていますが、坂本昌史氏はこの規則にも違反していた可能性が高いと思われます。

 坂本昌史氏が依頼人であったA社の金銭を占有する債務整理弁護士としての立場を悪用し、勝手に自分のために高額な報酬を決めて、それを預かったお金から抜いて返さなかったのだとしたら、それは「金銭着服行為」以外の何物でもありません。坂本昌史氏は、最終的に返済したことを根拠に「金銭着服行為は一切ない」と裁判で主張(※2)しています。つまり坂本昌史氏は「一度盗んだけれど、見つかった後に返したから盗んだわけではない」という趣旨の主張しているわけです。しかしそんな主張が通るわけはありません(だから懲戒されたのです)。でも、坂本昌史氏は、現在進行中の裁判では堂々とそのような主張をしているのです。

 

懲戒された弁護士と、懲戒した弁護士会

正しいのはどちらか?

 

 坂本昌史氏の釈明を聞いても、坂本昌史氏が不正な債務返済や依頼人の金銭を着服するなど、犯罪に近い悪質な不正行為を行った事実には間違いがないように見えます。そして東京弁護士会が、身内である坂本昌史氏に対してこれだけの処分を下したのですから、確たる証拠に基づく事実認定があったのだろうと思います。

 もし、坂本昌史氏が東京弁護士会の事実認定を否定し、自分は潔白であったと主張するのであれば、是非反証を提示したうえで反論していただきたいと思います。ご自身のことですから、当時のやりとりを示す証拠はいくらでもお持ちであるはずです。法律に疎い私の理解に誤りがあるのであれば、指摘していただきたいと思います。

 しかし、根拠もなく、自分の過去の犯罪を隠す目的で虚偽主張を行い、東京弁護士会が自分に下した処分を否定し、かつての顧問先企業を批判するのであれば、それ自体が懲戒に値する行為であると言えるでしょう。過去に懲戒を受けた処分について、坂本昌史氏真摯な反省をしたのでしょうか。懲戒者である東京弁護士会やかつての顧問先を悪者に仕立て上げ、自分を正当化しようとするのであれば、坂本昌史氏は今でも、懲戒された時点と何も変わらない、悪徳弁護士であるということになると思います。今後も引き続き、坂本昌史氏(東京・弁護士法人アーバンフォレスト)に対しては裁判で説明を求めていきたいと思います。

 

(※1)

-----------------------------------------------

「自由と正義」(日本弁護士連合会刊)2008年12月号153頁

1 懲戒を受けた弁護士
氏名 坂本昌史(東京・弁護士法人アーバンフォレスト)

登録番号 24063

2 懲戒の種別 業務停止3月 
3 処分の理由の要旨
(1)坂本昌史(東京・弁護士法人アーバンフォレスト)は、懲戒請求者A社の顧問であったが、2005年10月31日頃、A社から債務整理を依頼された。しかし、坂本昌史は、A社の了解を得ないまま、A社の債権者の一部である5社に対して、利息制限法の許容範囲を超えて同債権者らが主張する金額をそのまま支払った。
(2)坂本昌史(東京・弁護士法人アーバンフォレスト)は、同年12月1日、A社の債務整理の処理に際し、A社の代表取締役である懲戒請求者Bに対する説明を尽くさず、真意の承諾を得ないまま、振出人欄にA社の名前と並んでBの署名を代行し、同人の実印を押捺して額面2700万円の約束手形を振り出して、A社の債権者であるC社に振り出した。
(3)坂本昌史(東京・弁護士法人アーバンフォレスト)は、同月8日、A社から解任され、同月12日、預かり金全額をA社の新たな代理人弁護士へ振込返金するように求められたが、事前の説明も了解もなく報酬額1774万5000円を請求し、A社らの了解を得ずに預り金から同請求額等を控除した額を返還した。

 上記坂本昌史(東京・弁護士法人アーバンフォレスト)の各行為は、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当するものである。
4 処分の効力の生じた日 2008年7月9日

2008年12月1日 日本弁護士連合会

-----------------------------------------------

 

(※2)

-----------------------------------------------

(坂本昌史(東京・弁護士法人アーバンフォレスト)本人が代理人を務める、損害賠償請求事件準備書面(2)での坂本昌史氏本人の主張内容)

実際には、「坂本昌史が有償行為としてA社から会社債務整理業務を受任し、約1ヶ月半に亘り昼夜を問わず業務遂行したにもかかわらず、A社代表者が突如坂本昌史を解任して、新たな代理人弁護士から預り金全額の返還を求めてきたため、坂本昌史が、これに対し、それまでの会社債務整理業務遂行に対する業務報酬額を決定する協議を求めたものの、代理人弁護士がその協議に一切応じなかったことから、対抗策として、一旦預り金の一部の返還を留保したが、数カ月後にA社が正式に自己破産開始手続を申し立て、破産管財人から預り金残金全額の返還を求められたため、坂本昌史はそれに応じて預り金全額を返還した」、というものであり、最終的には(約1ヶ月半に亘る会社債務整理業務に対する弁護士費用も含め)坂本昌史は一銭の利益も得ていない。懲戒処分で問題とされたのは、「A社側からの預り金全額返還請求に対し、数ヶ月間その一部の返還を留保したこと」に過ぎず、「金銭着服行為」は一切ない。

-----------------------------------------------

 

 

 

 

コメント