萩谷麻衣子氏の最終準備書面

本訴原告(反訴被告)萩谷麻衣子

本訴被告(反訴原告)A

準備書面(5)

 

令和2年1月31日

東京地方裁判所 御中

原告(反訴被告)訴訟代理人弁護士 坂本昌史

 

 

第1 原告の主張(補充)

1 被告による懲戒請求の追加について

(1) 被告は、令和元年11月15日、原告が訴外智子の代理人を務める損害賠償請求訴訟(被告が平成31年4月15日に訴外智子を被告として東京地方裁判所に対し金20万円の慰謝料の支払を求めて起こした損害賠償請求事件)において書面提出期限が同年11月8日となっていたところ、同年11月13日に書面を提出したのでそれが弁護士としての非行に当たるとして懲戒請求を追加して申し立てた(甲19号証)。同裁判において、裁判官が当事者尋間に向けて双方の陳述書を次回11月15日の期日の1週間前である11月8日までに提出するよう指示したこと、及び、原告が訴外智子の陳述書(甲20号証)を乙13号証として同年11月13日に提出したことは認めるが、しかし、原告が訴外智子の主張を書面にまとめ、内容に問題がないと確認して訴外智子の陳述書を仕上げたのは令和元年11月10日であり(甲20号証)、当事者である訴外智子の陳述書について拙速に仕上げて提出することはできなかったので、内容を確認して提出できる形に仕上げて裁判所及び被告に送付したのが11月13日となったに過ぎない。なお、被告から被告の陳述書が送られてきたのも、書面提出期限を過ぎた同年11月10日のタ方であった(甲21号証の送付表の上部FAX送信日時参照)。さらに、11月15日の口頭弁論期日において、裁判所は被告の提出した陳述書では内容が十分ではないとしてさらに具体的な内容を記載した陳述書を追加して提出するよう被告に指示をし、被告は追加の陳述書を12月16日に提出しており(甲22号証の1、2)、原告が11月13日に訴外智子の陳述書を提出したことは、訴訟を遅延させる等の妨げには全くなっていない。被告は、およそ非行に当たらないことについて、原告に嫌がらせ目的で懲戒請求をしたものである。

(2)更に、被告は、令和2年1月14日、東京弁護士会綱紀委員会に対し原告を被調査人として懲戒請求事由の追加を申し立ててきたが(甲23号証)、この申立が原告に対する業務妨害行為であることは、前回令和2年1月17日付準備書面(4)で主張したとおりである。

 

2 被告は原告及び訴外智子に対する嫌がらせ目的で懲戒請求制度を悪用していること

令和元年10月2日、原告は、被告と子らとの面会交流に関し訴外智子の代理人を辞任した(甲15号証の5)。同日、訴外智子は被告に対し、「10月から面会交流の調停は、山田浩子弁護士にお願いすることになりました。」とメールで伝え(甲24号証)、山田弁護士からも被告に受任通知が送付された。しかし、被告は山田弁護士が「(お子様との円滑な交流実現のために、ご意向に関しては)可能な範囲で対応することができればよいと思っています。」と被告に伝えたことに関し、同年10月8日、「面会交流を妨害している」等述べ、「本日中に返答がない場合は、明日、東京弁護士会に対してあなたの懲戒請求をおこないます。」と懲戒請求を申し立てる旨伝えた(甲25号証)。この被告からのメールを受けて、山田弁護士は、翌10月9日、わずか1週間で訴外智子の代理人を辞任した(甲26号証)。被告は、訴外智子の代理人になる者を正当な理由のないことで懲戒請求の申立てをする旨脅し、懲戒請求制度を悪用して訴外智子の代理人を継続することを困難にさせており、被告の懲戒制度を悪用する行為を放置しておけば訴外智子は代理人を付けることが極めて困難となり、代理人に委任する権利を著しく害される。それは代理人制度自体への著しい妨害行為でもある。原告に対する3年半に及ぶ多々の懲戒請求も、原告及び訴外智子に対する嫌がらせ目的で行っている行為の一環に他ならない。

3 原告に対する嫌がらせ目的を裏付ける事情

甲27号証は、令和元年10月30日にインターネット上に開設されたブログであるが、このブログは「私は2016年8月に萩谷麻衣子(本名:佐々川麻衣子)弁護士について、東京弁護士会に対して懲戒請求を行いました。」で始まっており、ブログの内容はこれまで被告が調停、審判、裁判(本件を含む)、懲戒請求で述べてきたことと完全に一致しており、被告が作成・公開したものと推認できる。そしてこれもまた、被告による原告に対する嫌がらせ行為の一環と考えられる。

この点、被告側からは、「被告が原告に対し懲戒請求したこと自体は真実の出来事であり、真実をインターネット上で公開することは何ら問題行為に当たらない」旨の弁解がなされることも予想される。しかしながら、正規の懲戒請求手続や訴訟手続を経て権限ある弁護士会や裁判所が下した公正な判断結果のみが公開されるならまだしも、被告が公開している内容はあくまで被告の一方的な主張(しかもこれまでの裁判所等の審理を経て否定されてきた主張)に過ぎない。にもかかわらず、そうした公開がインターネット上でなされると、閲覧したー般大衆の多くは(懲戒請求手続や訴訟手続に精通していないことから)被告の一方的主張や「原告が懲戒請求手続にかけられていること」自体で原告に対するマイナスイメージを抱く可能性は高い、と言わざるを得ない。被告が権限ある弁護士会や裁判所が下した公正な判断結果ではなく自己の一方的な主張をインターネット上で公開する意図の一つに、こうした一般大衆をして広く原告に対するマイナスイメージを抱かせる意図が含まれていることは合理的に推認できるのであり、とすれば、被告のこうした公開行為は、原告に対する名誉段損とも言うべき嫌がらせ行為に該当することは明らかである。

 

第2 原告準備書面(3)・別紙「被告の行為一覧表」(以下、「別表」という)の追加

令和元年11月22日付で原告が準備書面(3)の別表として被告の行為を―覧表に纏めた後も、前記第1の1(1)(2)のとおり、現在までの間に被告が新たな不法行為を行ってきたので、番号17番・18番として追加主張する。これを纏めたものが本書に添付する別表である。

 

第3 原告主張が損害賠償を求める被告の「不法行為」の特定

1 原告は、本訴において、「懲戒手続」に関連して不法行為性を判断した最高裁判例(乙3)を基準にして被告の行為の「不法行為」性を問題にするものである。従って、別表のうち、「懲戒手続」に直接関係しない行為である番号2及び3の各行為については、直ちにこれらの「不法行為」性を問題にしているものではなく、被告のその他の複数の「不法行為」が一連のものとして関連するものであることを裏付ける一つの経緯、または、被告の「不法行為」・の悪質性を示す一つの事情として主張するものである。(なお、前記第1の2及び3も同様の趣旨である。)

2 また、原告は、本件前訴の判決(甲1、言渡日:平成29年6月9日、確定日:同月27日)の結果を踏まえ、それでもなお懲戒請求手続に及んできた被告の各行為を「不法行為」として主張するものであることから、上記判決前に行われた別表・番号1の行為についても直接「不法行為」性を問題にするものではなく、前項と同様、一つの経緯または事情として主張するものである。

3 以上のとおりであるから、原告主張が損害賠償を求める被告の「不法行為」は、別表4ないし18の行為となる。

 

第4 令和2年1月6日付被告準備書面(3)に対する反論

同書面は全体として、被告の独善的かつ抽象的な主張に終始しており、原告側から改めて詳細な認否及び反論は不要と解されるが、下記の点には言及しておく。

1 同書面4頁以下の「第3懲戒請求の正当性」「第4懲戒請求に至った事情」において、被告は、懲戒請求に正当性が認められる根拠として、[ズЯ幣拜阿妨狭陲被告に送信したメールは被告に対する恐喝である、原告は被告の面会交流権と(訴外智子がおこなった)児童虐待への加担をした、8狭陲諒杆郢里箸靴討了饉舛北簑蠅ある、ち奮庵匯劼子らの連れ去りをし、その優越的な立場を利用して被告に不当な言動を行った、ということを挙げているが、これらの主張は、損害賠償請求訴訟(甲1号証)、懲戒請求手続(甲2号証)、訴外智子との間の離婚訴訟、それに先立つ子の監護者指定及び子の引渡申立事件(甲28号証)で、同じ主張を何度も繰り返し、裁判所及び弁護士会にすべて認められなかったものである。原告が被告に対し送信したメールが何ら恐喝にならないことは甲1号証の判決及び弁護士会の判断でも認められている。また、被告は、本件準備書面(3)6頁から7頁にかけて、訴外智子が子らに対し虐待を行ったことを原告が放置した、これは児童虐待防止法に違反する行為である、原告は訴外智子の児童虐待を肯定するような主張を平然と行い、訴外智子の子ども達に対する児童虐待行為の継続に実質的に加担した、離婚訴訟において、反訴原告は子の連れ去り前から行われていた訴外智子による児童虐待の事実(訴外智子が「股割り」と称して乳児期の子供に対して繰り返し行っていた…動作)を指摘したが、原告はこれを肯定する主張をした、原告は不当な恐喝を被告に対して電子メールで繰り返し行った、訴外智子による児童虐待を放置し肯定した、等纏々述べるが、すべて虚偽ないし名誉段損の主張である。上記の被告の同様の主張は甲1号証で否定されているほか、甲28号証の1(東京家裁の審判)及び甲28号証の2(東京高裁の決定)で詳細な検討がなされた上で、被告の訴外智子による子らへの虐待の主張等をすべて退けられている。また、甲28号証の2では、被告が、被告から金銭を得る目的で未成年者らを強引に連れ去り、被告に対し未成年者らと面会の対価として財産分与を要求したことから、訴外智子が未成年者らを連れて家を出たのは違法な連れ去りにあたる、と主張した(これは本件訴訟と同じ主張である)ことに対し、東京高裁は「採用することはできない」として被告の主張を一蹴している(甲28号証の2、2頁、第3、2)。更に、離婚訴訟の判決でも、訴外智子の違法な連れ去りや虐待行為は認定されていない(離婚訴訟の第1審判決は「原告に虐待といえる行為は認められない」と明確に認定し、控訴審判決もこれを覆していない)。

2 このように、被告は、裁判所において、何度も同じ主張(訴外智子による子らの違法な連れ去りと原告の加担、原告による恐喝メールの送信、A奮庵匯劼了劼蕕悗竜埖圓噺狭陲硫鍛粥砲魴り返し、その都度裁判所から主張を排斥されてきたが、本件訴訟でも被告準備書面(3)でまた同じことを繰り返して主張している。この経緯から、被告は、訴外智子が子らを連れて自宅を出たことへの逆恨みから、訴外智子の代理人である原告に対し、長期にわたり何度も懲戒請求を不当な嫌がらせ目的で繰り返していることは明らかである。このような被告の行為の違法性が本訴において認められないとすれば、被告は、益々「自らの行為が正当行為である」と考えて、原告が訴外智子の代理人として関わっている限り、原告に対し懲戒請求をし続けることは明らかであり、それを原告は甘受することを強いられ続ける。こうした立場に置かれていることは弁護士として受忍すべき限度を明らかに超えている。

 

以上

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