懲戒請求書(若旅一夫氏懲戒請求)

下記の書面に関する説明はこちらをご覧ください。

 

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東京弁護士会会長

篠塚 殿

令和元年9月25日

 

懲戒請求書

 

 

懲戒請求者

 

対象弁護士

若旅 一夫
102-0083
東京都千代田区麹町3-7-4

秩父屋ビル5
新麹町法律事務所

 

 

懲戒請求の趣旨

 東京弁護士会会員である若旅一夫氏による恐喝行為ならびに恐喝行為の幇助および面会交流妨害行為が、「品位を失うべき非行」に該当するため、若旅一夫氏に対し、弁護士法第56条に基づく懲戒処分を下すことを求める。

 

懲戒請求の理由

第1 若旅一夫氏の子供との面会を引き換えとした恐喝行為

 若旅一夫(わかたび かずお)氏は、歌手の高橋ジョージ氏(本名:高橋恭司氏)が平成28年3月に三船美佳氏と協議離婚をした際の、三船美佳氏側の代理人弁護士である。

 若旅一夫氏は三船美佳氏の代理人として、高橋氏に対し、「要求は離婚と親権。ハンコを押せば、すぐ娘に会わせる」(甲1号証5頁下から3行目)と述べ、高橋氏の娘との面会と引き換えに、親権を三船氏に渡して離婚に応じるよう、高橋氏を恐喝した。この若旅一夫氏が行った行為は、「ハンコを押さなければ、娘には会わせない」という、害悪の告知により、高橋氏から親権を脅し取ろうとする行為であり、極めて卑劣なものである。そして若旅一夫氏は実際に、高橋氏が「ハンコを押す」すなわち離婚に応じるまで、高橋氏を高橋氏の娘とは会わせなかった。これは恐喝行為ならびに恐喝行為の幇助および面会交流妨害行為に該当し、かかる行為が弁護士として品位を失うべき非行であることは明白である。

ところで東京弁護士会はこれまでも、弁護士法により付与された懲戒制度という弁護士自治のための権限を適切に行使していない。本件と同様の、離婚時に子供との面会と引き換えに離婚と親権、財産の譲渡を迫るという東京弁護士会会員弁護士たちが行っている恐喝手口については、これまで繰り返し懲戒請求を受けているにもかかわらず、これらを一律に懲戒せず問題ないものとして扱い、黙認を続けてきたものと承知している。

しかし、このような恐喝行為により、恐喝を受けた側は自分の子供と会うためには、親権を手放したり、財産分与や慰謝料等要求に応じるなど、離婚成立のために必要な様々な要求に応じざるをえない状況に追い込まれるのである。また子ども達に対しては子供たちに責任のない親同士の争いにより、親と会えないという苦痛を味わせることになるのである。

本来であれば、これらの親権や金銭的条件は、親子の面会交流が行われるかどうかとは関係なく、離婚協議や調停、裁判において決められるべきである。また親子の面会交流は、子どもの福祉の観点から、離婚協議等の進行状況とは関係なく行われるべきである。離婚は夫婦間の問題であり、子供は子供と関係のない父母間の問題によって、親と会えないという不利益を被るべきではなく、その必要もないからである。にもかかわらず、若旅氏は「要求は離婚と親権。ハンコを押せば、すぐ娘に会わせる」と恐喝をすることにより、高橋氏が娘と面会するには和解に応じざるを得ない状況に追い込んだ。実際に高橋氏はその後「娘と面会できることを条件に和解に合意」(甲1号証7頁下から11行目)せざるを得なかった。つまり若旅一夫氏は、恐喝により、本来協議や調停、裁判において必要となる代理人としての手間を大幅に省き、労せずして三船氏から離婚成立による弁護士報酬を得たのである。

第2 若旅一夫氏の弁護士自治への関心と行為の関係

東京弁護士会がこのような恐喝行為について懲戒を行わないのは、現在、かかる恐喝行為によって会員弁護士が得られる弁護士報酬が、会員弁護士にとって重要な収入源になっていることに加えて、このような恐喝行為によって相手方を意のままに操ることが可能となることから、弁護士の労力を減らすうえで極めて効果的だからであると考えられる。そうでなければ、このような明らかな違法行為を東京弁護士会が容認し続けている理由がない。弁護士会がこのような行為を不問としてきたことは、弁護士会が自治組織として会員弁護士に法を順守させることよりも、会員弁護士が利益を上げることを優先してきたことを示しており、極めて遺憾である。

 なお若旅一夫氏は、弁護士自治に関心を持っているとのことである。若旅一夫氏はインタビューで「弁護士自治に興味があります。イギリスでは、2007年に、ソリスター団体であるローソサエティーが自治権を奪われるという出来事がありました。日本の弁護士会も自治権を失うことのないよう、行動していかなければなりません」と述べている(甲2号証2頁Q7『弁護士ドットコム特別企画 弁護士列伝 新麹町法律事務所 若旅一夫先生』)。

若旅一夫氏がインタビューで述べた通り、イギリスでは、現在の日本と同様、かつては弁護士の私的団体が弁護士に対して自治的懲戒権を有していたが、弁護士に対する苦情が増えたため、2010年に弁護士の自治懲戒権が廃止され、弁護士に対する苦情を受け付ける第三者機関・リーガルオンブズマン(Legal Ombudsman  https://www.legalombudsman.org.uk/)が設置された経緯がある。すなわち、若旅一夫氏がいう「日本の弁護士会も自治権を失うことのないよう、行動していかなければなりません」とは、「東京弁護士会が弁護士法で付与されている懲戒権を失わないためには、弁護士に対する苦情を適切に処理し、世間から信頼されなければならない」ことを示している。

本件については、東京弁護士会がこれまで会員の恐喝行為を容認してきた悪癖を廃し、適切な懲戒の判断が下されることを希望する。もし、これまでと同様に、若旅一夫氏の恐喝行為等を不問とするような判断がされるのであれば、その判断は、「東京弁護士会に自浄能力・自治能力を期待するのは無理であって、日本においてもイギリスと同様、弁護士を監視する第三者機関が必要である」ということを証明する、重要な証拠の一つとなるであろう。そして東京弁護士会がその判断を下すまでの経過は、将来、かつては東京弁護士会が懲戒制度を悪用することにより、会員弁護士の不法行為を容認していた時代があったことを示す資料として、歴史的価値のあるものとなるであろう。

また若旅一夫氏は、「弁護士自治に興味がある」ということであり、「日本の弁護士会も自治権を失うことのないよう、行動していかなければなりません」と考えているのだから、直ちに自らの罪を告白し、潔く懲戒に服するべきである。そうしなければ、若旅一夫氏は自らその宣言に反して、自ら、東京弁護士会から懲戒権を失わせるべき理由を作ることとなる。

以上