弁護士6人の「弁護士法人エース」がHPを20個持つ理由

「専門性が高い」ように見えるカラクリ

「弁護士法人エース」は銀座、横浜、立川、浜松に事務所を置いている弁護士事務所で、離婚や交通事故、労働問題など、一般的な街の弁護士が扱う法律分野を扱っています。

しかし、専門分野ごとに、あえてデザインを変えた19個のHPを本体のHPとは別に設けていて(下画像参照)、あたかも「弁護士法人エース」がその分野で専門性が高い弁護士事務所である、との印象を与えるようなWEB宣伝をしています。「弁護士法人エース」に所属している弁護士の数(6人・平成元年7月)よりも、HPドメインの数(20個)のほうが多いのです。いわゆるSEO対策です。右下の画像に示すのは、「弁護士法人エース」がドメインを持ち運用している20個のHPの一覧です。

弁護士法人エース
   弁護士法人エースが持つ20個のホームページ

ドメインを多数保有して、それぞれデザインを変えて管理運営するためには、費用や手間がかかります。なぜ「弁護士法人エース」は、なぜわざわざそのようなことをしているのでしょうか。

たとえば、ある人が離婚を考えて弁護士を探し始め、「離婚」「弁護士」といったキーワード検索でグーグル検索をしたとしましょう。「弁護士法人エース」のように、分野ごとにたくさんHPを用意しておけば、「弁護士法人エース」の事務所と近い地域に住む人のグーグル検索結果には、「弁護士法人エース」の離婚専用HPだけが上位表示さます。

そのため、「離婚」のキーワードを使ったグーグル検索を通じて「弁護士法人エース」の離婚専用HPにたどりついた人には、「弁護士法人エース」があたかも離婚専門の、評判がいい弁護士事務所であるかのように見えるのです。そのため、「離婚事件を専門的に扱っている経験豊富な『弁護士法人エース』という弁護士事務所が家の近くにあった」と勘違いするというカラクリです。

弁護士法人エース」が独立ドメインでHPを作成している「専門分野」は、見付けた限りでは「交通事故」「残業代請求」「B型肝炎給付金」「不倫慰謝料」「刑事事件」「債務整理」「顧問弁護士」「不当解雇相談」「マンション管理費回収」「共有物分割」「立退料」「退職代行」「養育費回収」「示談書作成」「石綿被害賠償」「相続」「労災事故」「離婚相談」「子の認知請求」の合計19分野。そのほぼ全てについて「経験豊富」であるとHP上で謳っています。これが本当ならば、ものすごい経験量です。

誤導広告を取り締まらない弁護士自治の「緩さ」

「弁護士法人エース」の多数のHPの中には、「最短期間での給付金の受け取り」「立退料が家賃の数十ヶ月となることが多く、100ヶ月分を超えることもあります」など、誇大表現もあちこちに見られます。

このようなSEO対策や誇大表現により集客をしている弁護士事務所は「弁護士法人エース」だけではありません。実績やブランド力のない、新興の弁護士法人に最近よく使われている手法です。評判の不足をSEO対策で補っているわけです。

つまり、このようにHPを沢山持っている弁護士事務所は、専門性が低い弁護士事務所である可能性が高いので、依頼する側は勘違いしないように注意する必要があります(なお、専門性が低いことは、必ずしも悪いことではありません)。

ちなみに「弁護士職務基本規程」第9条で、弁護士は「誤導にわたる情報を提供してはならない」との定めがあります。また、日弁連「弁護士等の業務広告に関する規程」第3条では「誤導又は誤認のおそれのある広告」「誇大又は過度な期待を抱かせる広告」などが禁止されています。

医師の広告は厚労省が厳しく具体的に規制していますが、監督官庁がなく自治に任されている弁護士の広告規制は、大雑把で緩く、機能していないように見えます。

(関連記事)

親子を引き離す悪徳ビジネスで稼ぐ「弁護士法人エース」

親子を引き離して成功報酬を得る悪徳離婚弁護士16人

(Visited 218 times, 1 visits today)