親子引離し弁護士木下貴子「私が証明です」

悪徳離婚弁護士の木下貴子氏は、「面会交流制限マニュアル」購入者へ無料特典として主張書面サンプルも提供している

既出記事「岐阜の悪徳離婚弁護士・木下貴子が3万円で販売中『面会交流制限マニュアル』公開」において述べたとおり、岐阜で親子引き離し請負業をしている不良離婚弁護士・木下貴子氏の持論は、「子供を相手に会わせたくないという主張は裁判所では通らないので、子供を相手に会わせないことが子供のためであるというウソを言うべきだ」ということです。そして審判でも上手なウソをつけるように、主張書面のサンプルまで公開しています。

下記は、木下貴子氏が「説得力アップブック面会交流制限編」を3万2780円で購入した顧客へ"無料特典"と称してプレゼントしている「実際にうまくいった事案の主張書面」です。「うまくいった」というのは「面会交流を制限することに成功した」という意味のようです。

たしかに、実際に面会交流を制限する必要がある事案があるのは事実です。しかし、それは子供のために、親子の面会交流ができるよう両親が努力しても、残念ながら制限せざるを得ない何らかの事情があったということにすぎません。それを「うまくいった」とは、木下貴子氏はいったいどういう価値観の持ち主なのでしょうか。

また木下貴子氏は「単にあなた自身が嫌いな相手だから(子供を)会わせたくないというのでは、説得力がありません。子供にとっても幸せな選択であることを話すように意識しましょう」などと偽証をするように推奨しつつ、同時にこのような具体的な主張書面まで提供していることになります。つまり木下氏は事実上、ネットでウソの主張や偽証をするノウハウを教えて、収入を得ているわけです。訴訟関係者に、このようなウソの主張に注意を促し、理由なく親から引き離される子供を一人でも減らすために、その内容を以下に公開します。


木下貴子氏作成「主張書面」(面会交流制限用)

令和○年(家)第○○○○号 面会交流審判事件
申立人  木下太郎
相手方  木下花子
未成年者 木下一郎

主張書面

令和○年○月○日
××家庭裁判所 御中

相手方  木 下 花 子 (印)

第1 はじめに
 申立人は,未成年者との宿泊付面会交流と,児童館以外での自由な場所での多数回・長時間の面会交流を求めているが,未成年者にとっては,宿泊付面会交流は実施せず,現状どおり○○児童館で月1回1時間半程度の面会交流を行うのが適切である。
 以下,詳しく述べる。

第2 面会交流で考慮すべき事情
 民法766条2項・1項は,面会交流を定める場合に,「子の利益を最も優先して考慮しなければならない」としている。
面会交流のあり方を検討するにあたっては,子の利益に関係する諸事情を考慮することが必要であり,現在,裁判所では,特に以下の6つのカテゴリーの事情を考慮すべきとされている(福井家庭裁判所主任家庭裁判所調査官小澤真嗣ほか「子の利益に資する面会交流に向けた調査実務の研究」家裁調査官研究紀要第27号,東京家庭裁判所面会交流プロジェクトチーム「東京家庭裁判所における面会交流調停事件の運営方針の確認及び新たな運営モデルについて」家庭の法と裁判第26号)。
①子,同居親,別居親の安全に関する事情(安全)
②子の状況に関する事情(子の事情)
③同居親及び別居親の状況に関する事情(親の事情)
④同居親及び別居親と子との関係に関する事情(親子関係)
⑤同居親及び別居親の関係に関する事情(親同士の関係)
⑥同居親及び別居親を取り巻く環境に関する事情(環境)
 この審判事件でも,各カテゴリーに関してどのような事情があるのかをふまえ,宿泊を伴う面会交流の可否及び,1回毎の面会交流の時間,場所,頻度が判断されるべきである。

第3 宿泊を伴う面会交流を実施しないことが適切であることについて
1 子,同居親,別居親の安全に関する事情について
(1) 子の安全に関する事情として,以下の事情がある。
申立人が未成年者の利益よりも自己の希望を優先するために,申立人による未成年者の連れ去りのおそれ,申立人が未成年者の病気・怪我等に適切に対応しないおそれが大きい状況にある。
(2) 上記事情の詳細
① 申立人が未成年者の利益よりも自己の希望を優先している事実の存在
別居親である申立人は,面会交流を実施するにあたり決めたルールを守らない。そして,子の利益に資すると言えない「動画の撮影」を執拗に要求し続けている。
申立人は,調停外にて,長期間の宿泊を伴う面会交流を要望し,これに対して令和○年○月○日相手方が断ったところ,同月○日に2年も前の出来事について,申立人は相手方を傷害罪で告訴した。
申立人は現在でも強く親権の取得を希望しており,離婚訴訟までも提起した。
このように,申立人は,子の利益のために必要かどうかという視点ではなく自分の行いたい面会交流のあり方に固執しており,それが満たされないと,強行的な手段を用いている。
② 連れ去りのおそれ
このような申立人に,宿泊を伴う面会交流を認めた場合,未成年者のための安全に必要な配慮として事前に決めたルールも守ることを期待できず,申立人が,自らの希望である親権取得や未成年者のそばにいたいとの思いから,独自の見解で,未成年者を返さない(子の連れ去り)を正当化するおそれがある。
③ 未成年者の病気・怪我等に適切に対応できないおそれ
万一,夜になって,未成年者が泣いて帰りたいといっても,直接の話を避けている相手方に連絡することは期待できない。また,宿泊中に,病気,けがなどの安全を害する状態が生じても,自らの行為の正当性を守るため,未成年者の精神的な安定を考えて,相手方に連絡することも期待できない。
(3) 解決できない問題であること
  このような子の安全の問題の原因は,全て申立人にあって,現在もなお解消されていない。
2 子の状況に関する事情について
(1) 子の状況に関する事情として,以下の事実がある。
①未成年者は現在,2歳10ヶ月であり,トイレトレーニング中である。夜はオムツをつけて寝ており,これまで相手方がいない状況で寝たことはない。
②夜,隣に相手方が寝ていないと直ぐに起き出してしまい,「ママ,どこ?」と泣いてしまう。
③朝,寝ているときに相手方が仕事に出かけてしまうと,「ママどこに行ったの?」とずっと泣く。
④就寝時,相手方の耳を触っていないと眠れない。
⑤便をするときは,おまるでしており,入浴後という決まった時間でしている。決まった場所で他の人から隠れた状態でないとできない。(以前,トイレトレーニングをしていたところ,便秘となって病院を受診して治療することになったため,現在はこの形を継続している)。
⑥外泊しようとした際,「早く家に帰ろう」と言う。
⑦以上のとおり,未成年者は,身体的発達,精神的に未成熟の状態にあり,調査報告書にも記載があるとおり「見知らぬ人の関係に慎重で」,トイレトレーニングのストレスから便秘になるなど,精神的に繊細で慎重な性格である。
(2) 子の利益が害されること
宿泊をしたこともない場所で,相手方と離れて夜を過ごすことは,未成年者に多大な不安,精神的ストレスを与えることになる。
(3) 解決できない問題であること
 この状況は,当面は解決できない問題である。
3 同居親及び別居親の状況に関する事情について
(1) 同居親及び別居親の状況に関する事情として,以下の事情がある。
①申立人と相手方と未成年者の同居中,主たる養育者は相手方であった。未成年者の寝かしつけをしていたのも相手方であり,夜中に申立人が起きてくれることもほとんどなかった。
②申立人は,相手方に対して,児童館における面会交流のときにビデオ撮影をしないことを約束したにもかかわらず,約束に違反して録画撮影を行った。児童館は,他の子どもたちもいるため動画撮影自体禁止の場所であったので,相手方は,申立人の撮影について,児童館職員から注意を受けることになった。そのことから,未成年者は,「パパが,またビデオ撮っていたよ」と,撮影を気にする発言をするようになってしまった。
(2) 子の利益が害されること
申立人は,未だ未成年者への適切な配慮ができないので,宿泊付き面会交流のような長時間の面会交流は,未成年者に精神的な負担である。長時間の面会交流となれば,申立人が未成年者の教育上悪影響となる行為に及ぶ可能性も更に高まる。
(3) 解決できない問題であること
  この状況は,当面解決できない問題である。
4 同居親及び別居親と子との関係に関する事情について
(1) 別居親と子の関係に関する事情として,以下の事情がある。
①申立人と相手方は令和○年○月○日から別居しており,同年○月を最後に,相手方が「(未成年者に)会って欲しい」と連絡しても,返事をせず,「会えなくても離婚したい」と述べ,申立人は面会交流を拒否した。その後も,申立人から相手方に対して面会交流を希望する旨の連絡は一切なく,申立人が未成年者の様子を尋ねてくることもなかった。
②その後,申立人は相手方に対し,令和○年○月○日,離婚調停の申立をしたが,面会交流調停の申立ては,それよりも後れた令和○年○月○日であった。
③そこで令和○年○月○日に裁判所外での面会交流を実施したが,最後の面会交流から1年が経過していた。申立人は,相手方に対して,面会交流のときにビデオ撮影をしないことを約束したにもかかわらず,約束に違反して録画撮影を行い,未成年者と一緒に遊ぶことより撮影に集中していた。
④そこで,令和○年○月○日の調停の日にも,相手方はビデオ撮影をしないよう求め,申立人は撮影しないことを約束した。ところが翌月の○月○日に実施した面会交流のときにも,申立人は,ビデオ撮影をし,さらに,相手方の事前了解も得ないまま,ゼンカイジャーなどの沢山のプレゼントを未成年者に渡した。この日,未成年者は,面会交流終了後「疲れちゃった」と相手方に述べた。
⑤その後も,月1回,1時間半の面会交流を児童館にて実施した。令和○年○月の面会交流終了後は,未成年者は「疲れた。帰りたい」と述べた。また,○月の面会交流時,申立人は,相手方の事前了解も得ないまま,未成年者に,「お父さんの家に遊びに来て」「上野動物園に一緒に行こう」などと話した。
⑥申立人が,夜間未成年者と一緒に過ごしたことがあるのは,未成年者がまだ1歳過ぎのときまでであり,その頃と未成年者が2歳10ヶ月の今では食事,トイレ,遊び方,寝る時間帯など全く異なっている。
(2) 子の利益が害されること
申立人は,もともと主たる養育者ではなく,既に未成年者と1年以上別居していることから,未成年者のニーズと状況を理解して柔軟に対応することは困難である。
申立人が,別居当初に面会交流を求めることも希望していなかったこともふまえると,宿泊付き面会交流時に,未成年者を,申立人の両親に任せっぱなしにしてしまう可能性も高い。
また,これまでの経緯から,長時間の交流は未成年者の疲労の原因となるといえる。
申立人が,家庭裁判所の面会交流のしおりにも記載されている「高価な贈り物はやめる」「一緒に住んでいる親に相談することなく,子どもと約束をすることはしないようにする」「あらかじめ決めている面会交流の約束事は守る」など面会交流における子への基本的な対応方法を遵守していない。これらの違反は,子の利益を害するものであって,この状態で宿泊を伴うような長時間の面会交流をすれば,子の利益を害する行為が更に多数行われてしまう可能性が高い。
(3) 解決できない問題であること
申立人が態度を改め,時間をかけて未成年者のニーズと状況を把握できるようにならない限り,この状況は解決できない。
5 同居親及び別居親の関係に関する事情について
(1) 同居親及び別居親の関係に関する事情として,以下の事情がある。
①申立人は,離婚調停において,相手方を一方的に非難する大量の書面を提出したため,相手方は多大なる精神的苦痛を感じ,申立人に不信感を募らせた。
②申立人は,相手方に対して,面会交流のときにビデオ撮影をしないことを約束したにもかかわらず,約束に違反して録画撮影を行った。
③上記面会交流の際,相手方が約束違反であることを冷静に指摘したのに,申立人は「罵倒した」と責めた(なお,「罵倒」と言われるような対応があったとすれば,その場にいた児童館職員にも注意されたであろうが,そのようなことは全くなかった。)。相手方は,不当な非難を受けて,大きな精神的苦痛を感じた。
④児童館は,他の子どもたちもいるため動画撮影自体禁止の場所であったので,相手方は,申立人の撮影について,児童館職員から注意を受けることになった。
⑤申立人は,その違反行為を謝罪しないばかりか,施設で録画することは問題ないとの主張を続けて改めようとせず,そのまま,翌週にも面会交流をさせるよう要求してきた。
⑥前記のとおり,申立人は,相手方を傷害罪で告訴した。
⑦そして,相手方は,警察官,検察官の前での取調べを受けることになり,多大なる精神的苦痛を受けた。相手方は,申立人が手段を選ばないことを実感し,更に不信感を募らせた。
⑧相手方は,申立人の求めに応じて,カメラの返却など速やかに対応したのに対し,相手方が早急に返却を求めているパスポートについて申立人には誠意を持って探した様子が見受けられず,未だに返却されていない。
⑨このように申立人が相手方の精神状況に不安を与え続ける攻撃的な行動を繰り返しており,相手方の申立人に対する不信感はとても強い。
⑩なお,根拠はないものと思われるが,申立人も,相手方のことについて恐怖心が拭えない等と述べている。
⑪このように,申立人と相手方は高葛藤の状況にある。
(2) 子の利益が害されること
宿泊付き面会交流を実施すれば,予測できない事態が生じうる可能性が高く,その場合には,申立人が相手方に相談し協力を求めて,相手方が協力する必要がある。しかし,申立人と相手方が高葛藤の状況にあっては,協力がなされないので,未成年者への配慮に欠いた状態のままとなる。
また,同居親の心の平穏は,同居生活している子の心身に大きな影響を与えるところ,宿泊付面会交流準備時・実施時の申立人の言動が相手方の心の平穏を大きく害する可能性が高い。そうなると,子である未成年者の心身にも悪影響を及ばす。
(3) 解決できない問題であること
  高葛藤の原因は,申立人にある。いくら子のためといっても,相手方が耐えられる限度を超えていて,解決は困難である。
6 同居親及び別居親を取り巻く環境に関する事情について
(1) 同居親及び別居親を取り巻く環境に関する事情として,以下の事情がある。
①相手方と申立人の親も高葛藤の状態にある。申立人と相手方は居住場所についての意見の相違が大きかったところ,この紛争に双方の親も関わっているため,相手方と申立人の親,申立人と相手方の親のいずれも関係性は悪い。面会交流の調整にあたり,申立人の親,相手方の親の援助を受けることは不可能である。
②申立人の父親は未成年者に塩分の強い食べ物を食べさせようとしたり,1歳の未成年者に飴をなめさせようとしたりした。申立人の母親は,小さな子どもに食べさせると窒息のおそれがあるこんにゃくゼリーを,未成年者に食べさせた。
③申立人が,当初は,面会交流に第三者機関の利用を検討したいと述べていたが,申立人と相手方間で合意ができないと利用できないことがわかった。そのため,現在では,相手方が面会交流場所に未成年者を連れて行き,相手方に引き渡すという方法をとっている。
(2) 子の利益が害されること
宿泊付き面会交流を実施すれば,申立人の父母が,未成年者の健康・安全に配慮しない行動に及ぶ可能性がある。申立人の父母が,未成年者に対して,相手方の悪口を言う可能性もある。
宿泊付面会交流の準備・実施に親族や第三者のサポートを得ることができないので,相手方の心の平穏が害されて未成年者の心身への悪影響が生じるおそれを除去することができない。
(3) 解決できない問題であること
  これらの問題の解決は困難である。
7 小括
 このように,宿泊を伴う面会交流を行うと子である未成年者の利益を害することになる事情が多数あって,これら事情を解消できる見込みがないから,宿泊を伴う面会交流を実施しないのが適切である。

第4 現状の○○児童館で月1回1時間半程度の面会交流が適切であることについて
1 子,同居親,別居親の安全に関する事情について
(1) 子の安全に関する事情として,以下の事情がある。
申立人が未成年者の利益よりも自己の希望を優先するために,申立人による連れ去りのおそれがある。
申立人は,未成年者をチャイルドシートのない自動車に乗せる可能性が高い。
(2) 上記事情の詳細
① 第3・1(1)①記載のとおり,申立人が未成年者の利益よりも自己の希望を優先している事実がある。
② 連れ去りのおそれ
このような申立人には,子のための安全に必要な配慮として事前に決めたルールも守ることを期待できず,申立人が,自らの希望である親権取得や未成年者のそばにいたいとの思いから,独自の見解で,未成年者を返さない(子の連れ去り)を正当化するおそれがある。
現在は,相手方が,連れ去りを防止するため,面会交流終了するまで○○児童館の近くで待っている。また,○○児童館は,相手方の住所に近く,第三者の目もあって,連れ去りが難しい。
しかし,○○児童館以外で面会交流を行うならば,こうした連れ去り予防効果が働かないので,連れ去りの危険性が増大する。
③ 未成年者をチャイルドシートのない自動車に乗せるおそれ
申立人の自家用車にはチャイルドシートが設置されていない。待ち合わせ場所から,申立人が未成年者を連れて移動をするとなると,チャイルドシートのない車に乗せ,未成年者が危険にさらされるおそれもある。
(3) 解決できない問題であること
  このような子の安全の問題の原因は,全て申立人にあって,現在もなお解消されていない。
2 子の状況に関する事情について
(1) 子の状況に関する事情として,以下の事実がある。
①前記のとおり,未成年者は精神的に繊細で慎重なところがある。
②調査官調査で,調査官から話しかけられた際も緊張した様子で返事をしなかった。調査官とは遊ぼうともしなかった。
③未成年者は,相手方が違う部屋に行っただけで,「ママどこ?」と大泣きしたり,ずっと泣き続けたりする。相手方が仕事で出かけていると,家族に対し,「ママいなくなっちゃった」と寂しそうに言う。
④同居している相手方の姪(相手方の姉の子)が,母親である姉と遊んでいるのを見ると,「いいな・・・ママは?」と寂しがる。
⑤相手方が仕事から帰ってくる時間をいつも見ているテレビで把握していて,少しでも相手方が遅くなると不安そうにしている。
⑥相手方や相手方の父母がいないと,不安になって探し回る。トイレにもついてくるので,相手方は,戸を開けたまま用を足すこともある。
⑦小便は,トイレですることができるが,踏み台の無いようなところでは,大人が持ち上げてあげるなど手伝いが必要である。
⑧食事は,自分で少しは食べるが,相手方や相手方の母の手伝いが必要な状況である。決まった人が食べさせないと,食べないこともある。
⑨一度泣き始めると泣き止まないことがある。普段一緒に過ごしている人の話であれば,聞き入れる。
(2) 子の利益が害されること
子ども時代に愛着を築くことが,その後の人生,とくに精神面において重要であるとされている。たとえば,福井大学子どものこころの発達研究センター教授であり医学博士である友田明美氏も,子どもは,生まれてから5歳くらいまでに,親との間に愛着を形成し,これによって得られた安心感や信頼感を足がかりにして,周囲の世界へと関心を広げ,認知力や豊かな感情を育んでいく旨を述べている。
未成年者には,年齢相応の分離不安があって,未成年者を母親などの同居家族と多数回または長時間引き離すことは,未成年者を不安にさらすことになって未成年者の利益に反する。
また,繊細な未成年者にとって慣れない場所での面会交流実施や,行き帰りの時間の長時間化は,やはり,未成年者を不安にさらすことになる。
現在の1時間半程度よりも長時間の面会交流をすれば,トイレ,食事が必要となる可能性が高くなるが,未成年者の今の状況では安心してトイレに行ったり,食事をしたりすることも難しい。
面会交流場所を変えることや,面会時間・頻度を増加することは,子である未成年者の利益を害することになる。
(3) 解決できない問題であること
  この状況は,当面解決できない問題である。
3 同居親及び別居親の状況に関する事情について
(1) 第3・3(1)記載のとおりの同居親及び別居親の状況に関する事情がある。
(2) 子の利益が害されること
申立人は,未だ未成年者への適切な配慮ができないので,長時間の面会交流をすれば,未成年者に精神的な負担となるし,申立人が未成年者の教育上悪影響となる行為に及ぶ可能性も更に高まる。
また,児童館以外の慣れない場所で面会交流し,未成年者が不安定な状態になったときにも,適切な対応がなされないままとなってしまう可能性が高い。
(3) 解決できない問題であること
  この状況は,当面解決できない問題である。
4 同居親及び別居親と子との関係に関する事情について
(1) 第3・4(1)記載のとおりの別居親と子の関係に関する事情がある。
(2) 子の利益が害されること
長時間が交流は未成年者の疲労の原因となることは,第3・4(2)記載のとおりである。
また,申立人は面会交流における子への基本的な対応方法を遵守していないから,宿泊を伴うほどの長時間でなくとも,長時間の面会交流をすれば,子である未成年者の利益を害する行為が更に多数行われてしまう可能性が高い。
(3) 解決できない問題であること
申立人が態度を改め,時間をかけて未成年者のニーズと状況を把握できるようにならない限り,この状況は解決できない。
5 同居親及び別居親の関係に関する事情について
(1) 第3・5(1)記載のとおりの同居親及び別居親の関係に関する事情がある。
(2) 子の利益が害されること
面会交流の場所を変えたり時間を延ばせば,予測できない事態が生じうる可能性が高く,その場合には,申立人が相手方に相談し協力を求めて,相手方が協力する必要がある。しかし,申立人と相手方が高葛藤の状況にあっては,協力がなされないので,未成年者への配慮に欠いた状態のままとなる。
また,同居親の心の平穏は,同居生活している子の心身に大きな影響を与えるところ,面会交流の時間や場所を調整して取り決めようとするときの申立人の言動が相手方の心の平穏を大きく害する可能性が高い。申立人が取り決めに違反する可能性も相応に存在していて,相手方はその心配をしなければならないし,違反時には心の平穏がさらに害される。このようなことになれば,子である未成年者の心身にも悪影響を及ばす。
(3) 解決できない問題であること
 高葛藤の原因は,申立人にある。
しかも,裁判所の調停の場で,面会交流時にビデオ撮影をしない約束をして,申立人がこれを破ったにもかかわらず,審判によって,現状よりも申立人に有利な面会交流を認めるのは,裁判所でなした約束に違反することを裁判所が許容するようなものであって,正義に反する。
まずは,申立人が,言動を改め,相手方の心の平穏を害しないような対応を積み重ね,相手方の不安をなくす努力をすべきである。
6 同居親及び別居親を取り巻く環境に関する事情について
(1) 第3・6(1)記載のとおりの同居親及び別居親を取り巻く環境に関する事情がある。
(2) 子の利益が害されること
面会交流の場所を変えたり時間を延ばしたりするときには,場所や時間の調整,未成年者の受け渡しが必要となるが,親族や第三者のサポートを得ることができないので,相手方の心の平穏が害されて未成年者の心身への悪影響が生じるおそれを除去することができない。
面会交流の場所・時間を変えれば,相手方が面会交流実施のために費やす時間も長時間化するが,親族や第三者のサポートが得られず,相手方が全て時間をやりくりしなければならないので,結果として,未成年者を含めた家族の生活リズムが乱れることにもなる。
(3) 解決できない問題であること
 これらの問題の解決は困難である。
7 小括
 このように,○○児童館以外で面会交流を実施したり,面会交流の頻度・時間増やすことには子である未成年者の利益を害することになる事情が多数あって,これら事情を解消できる見込みがないから,現状どおり○○児童館で月1回1時間半程度の面会交流を続けるのが適切である。

第5 まとめ
よって,未成年者については,宿泊付面会交流を実施しないのが適切であり,現状どおり○○児童館で月1回1時間半程度の面会交流を行うのが適切である。