第一東京弁護士会の懲戒請求手続き

第一東京弁護士会に懲戒請求をすると、以下のような「懲戒の請求について」と題された書面(PDFはこちら)が送られてきます。これから懲戒請求をする人にとって必要な情報が書かれていますが、第一東京弁護士会のHPには掲載されていません。今後、懲戒請求を行う方の参考になるかもしれませんので、第一東京弁護士会に代わって掲載しておきたいと思います。

なおこの書面によれば、提出した懲戒請求書は懲戒請求された弁護士に開示されますが、弁護士側の答弁書は、懲戒請求した人には開示されないようです(下記〔10〕および〔11〕)。申請して、それが弁護士会に認められた場合に限って開示されます。また、その後出される双方の書面も開示されません。

これほど非開示の内容が多いと、外部から弁護士会の判断が適切であったかどうかを検証することはできません。

弁護士会には、弁護士自治という弁護士会の公共的な役割を自覚していただき、懲戒請求に関する書面は双方に開示して、透明度の高い審査手続きを行うようお願いしたいと思います。




懲戒の請求(懲戒手続)について

第一東京弁護士会


〔1〕懲戒の請求
弁護士又は弁護士法人が、弁護士法に違反する等の非行をはたらいたと思うときは、その事由の説明を添えて、その弁護士又は弁護士法人の所属弁護士会に、これを懲戒することを求めることができます(弁護士法58条1項)。
懲戒の請求をするには、懲戒請求書を作成して、対象となる弁護士が所属する弁護士会に提出します。添付したい資料があるときは、必要部数分の写しをとって、懲戒請求書と合わせて提出します(※提出部数は弁護士会ごとに異なります。第一東京弁護士会の場合は、懲戒請求書の正本1部と副本3部の合計4部、添付資料は原本の写し4部となります。)。
なお、提出方法は持参もしくは郵送のいずれかとなります。本人の意思不明確、偽造の恐れ等から電話やFAX、Eメールでの受付はできません。
以下では所定の手続を経て懲戒請求した人を「懲戒請求者」と称します。

〔2〕懲戒手続とは
懲戒手続は、裁判とは異なり、弁護士会が弁護士を懲戒するかどうかを調査及び審査する手続です。あなたとの間の争いを解決したり、あなたや関係者に対する金銭の支払い、資料の返却等を弁護士に命じるためのものではありません。そのため、この手続によって弁護士の懲戒処分がなされても、そのことによって請求者の被害の回復がされるわけではありません。

〔3〕綱紀委員会による調査
弁護士会は、所属の弁護士又は弁護士法人に対する懲戒の請求があったときは、その弁護士会の綱紀委員会に事案の調査を求め、綱紀委員会は、懲戒委員会に事案の審査を求めるか否かについての調査を行います(弁護士法58条2項)。

〔4〕除斥期間について
弁護士法の規定により、懲戒の事由があったときから3年を経過したときは、懲戒の手続を開始することが出来ず、したがって懲戒の手続に付された弁護士又は弁護士法人(以下では「対象弁護士」と総称します。)を懲戒することができません(弁護士法63条)。
この除斥期間が開始するのは“懲戒の事由があったとき”であって、懲戒の請求をする者が“懲戒の事由を知ったとき”からではありませんので、十分ご注意ください。
なお、除斥期間の経過につきましては、綱紀委員会で判断いたします。

〔5〕懲戒請求書の記載について
懲戒の請求があったときは、懲戒請求書の写しを対象弁護士に送付しますが、添付資料は原則として対象弁護士に開示しませんので(〔10〕参照)、対象弁護士は懲戒請求書に基づいて自身の答弁を考えることになります。したがって、懲戒請求書の作成にあたっては、対象弁護士が懲戒請求書だけを読んで事案の経緯が把握できるように作成してください。

〔6〕調査及び審査の期間について
綱紀委員会の調査結果が出るまでの期間は、事案によって様々です。また、綱紀委員会の議決に基づいて弁護士会が懲戒委員会に事案の審査を求めた場合には、更に懲戒委員会の審査結果を待つ必要がありますので、その点をご理解ください。

〔7〕結果の通知について
綱紀委員会の調査結果、懲戒委員会の審査結果は書面で通知します。電話等でのお問い合わせにはお答えすることはできません。

〔8〕懲戒請求の取下げについて
懲戒の請求をした後、対象弁護士との間で示談が成立するなどして懲戒の請求を取り下げたとしても、綱紀委員会は調査を続行して結論を出すことになります。
なお、懲戒請求を取り下げた場合は、調査結果の通知はいたしません。

〔9〕弁護士会の綱紀委員会の結論、弁護士会の決定に不服がある場合(懲戒請求者による異議の申出)
綱紀委員会の結論に不服があるときは、綱紀委員会の結論及び弁護士会の決定に関する通知を受けた日の翌日から起算して3か月以内に、日本弁護士連合会に異議を申し出ることができます(弁護士法64条1項、同条2項)。
また、異議申出の結論(日本弁護士連合会綱紀委員会の結論)について不服があるときは、日本弁護士連合会がした決定に関する通知を受けた日の翌日から起算して30日以内に、日本弁護士連合会に対して、綱紀審査会による綱紀審査を行うことを申し出ることができます(弁護士法64条の3)。

〔10〕懲戒請求者から提出された書面や資料について
懲戒請求者から一度提出された懲戒請求書と添付資料は返却しておりません。したがって、特に添付資料を提出するにあたっては、原本ではなく写しをご提出ください。
懲戒請求書(添付資料は含まれません)はその写しが対象弁護士に送付されますが、それ以外に懲戒請求者から提出された主張書面や資料は原則として開示しません。しかし、対象弁護士から懲戒請求書以外について閲覧謄写の申請があった場合は、綱紀委員会の判断でこれを認めることがあります。
また、対象弁護士から閲覧謄写の申請がない場合であっても、綱紀委員会がその職務遂行に必要と判断したときは、懲戒請求者から提出された主張書面や添付資料を対象弁護士に開示し、追加の主張・反論を求めることもあります。これらの点について予めご了解ください。
もし、対象弁護士に開示されたくない資料があるときは、提出の際に書面でその旨をお申し出ください。開示しないことをお約東することはできませんが、できる限り配慮いたします。

〔11〕対象弁護士から提出された書面や資料について
対象弁護士から提出された書面や資料についても、原則として懲戒請求者に閲覧及び謄写を認めておりません。
しかし、懲戒請求書に対する答弁として対象弁護士から最初に提出される書面については、懲戒請求者から閲覧謄写の申請があった場合に綱紀委員会の判断でこれを認めることがあります。
そこで、こうした懲戒請求書に対する答弁として最初に提出される書面の交付をご希望の方は、綱紀委員会に書面で申請してください。申請用の書式はありませんが、①懲戒請求書に記載した住所、②お名前(記名捺印)、③対象弁護士の氏名、④交付を希望する文書の表示(「懲戒請求書に対する答弁書の写しの交付を希望する」などと記載される例が多くみられます)の4点は記載してください。また、第一東京弁護士会より、綱紀委員会での事件番号が通知された後に申請する場合は、事件番号(「〇〇年一綱第〇〇号綱紀事件」という形式のもの)の記載もお願いします。
また、懲戒請求者から閲覧謄写の申請がない場合であっても、綱紀委員会が職務を遂行するために必要があると判断したときは、対象弁護士から提出された主張書面や添付資料を懲戒請求者に開示し、追加の主張・反論を求めることがあります。その際はお手数をおかけしますが、予めご了解ください。

〔12〕綱紀委員会の調査について
綱紀委員会の調査は、原則として懲戒請求者と対象弁護士から提出された書面をもとに行われますが、場合によっては、懲戒請求者に弁護士会館までお越しいただいて、調査を担当する綱紀委員(弁護士)が直接事情をお伺いする機会を設けることがあります。
なお、遠隔にお住まいの方で、弁護士会館までお越しいただくことができないときは、お伺いしたい事項を書面にまとめてお送りし、回答書をお送りいただく方法で調査を進めることもあります。その節はよろしくご協力ください。

〔13〕資料の追加提出について
懲戒請求書を提出後、更に主張書面や添付資料を追加して提出するときは、主張書面については正本1部と副本3部の合計4部、添付資料については写し4部を綱紀委員会宛てにご提出ください。
提出方法は持参もしくは郵送のいずれかとなります。

【主張書面、資料等の送付先】
〒100-0013
東京都千代田区霞が関1-1-3
弁護士会館11階
第一東京弁護士会綱紀委員会 宛て
【連絡先TEL】03一3595一8585(代表)