書証をなぜか公開しない第一東京弁護士会(ベリーベスト「答弁書」)

ベリーベスト弁護士法人に対して行った懲戒請求について、ベリーベスト側から「答弁書」が出てきたので、掲載します。これは当方の「懲戒請求書」への反論ですが、当方が第一東京弁護士会に交付を求めて、それが許可されて、ようやく開示がされたものです。当方が2月24日付で提出した「主張書面(1)」(東京地裁平成3年2月17日判決「面会交流の人格的利益」)への反論はまだ行われていないようなので、その反論を待ったうえで、再反論したいと思います。

なお第一東京弁護士会は「答弁書以外の資料は(交付申請がされても)開示しない」という勝手なルールを設けて、懲戒制度を運用しているようです。そのため、たとえば、以下の書面の乙3号証は、当方にはベリーベストが何に基づいて主張しているのかがわからず、反論のしようがありません。当方が出した書証は、相手(懲戒請求された弁護士法人)の求めがなくても相手に渡す場合があるのに、相手の書証はこちらに渡さないというのは理解できません。ただこれが、弁護士会の懲戒綱紀審査の実情ではあります。


2021年一綱第21号綱紀事件
対象弁護士法人ベリーベスト弁護士法人

答弁書

令和3年3月1日

第一東京弁護士会綱紀委員会御中
(送達場所)〒106-0032
東京都港区六本木一丁目8番7号MFPR六本木麻布台ビル11階
ベリーベスト法律事務所
対象弁護士法人代理人弁護士 藤井靖志
電話03-6234-1585
FAX03-6234-1586

第1 懲戒請求の趣旨に対する答弁
対象弁護士法人を懲戒しない、との決定を求める。

第2 懲戒請求の理由に対する認否
対象弁護士法人が面会交流を阻止した場合、または面会交流について相手方の要求が一部でも認められなかった場合に、30万円の成功報酬を受け取るという報酬基準を定めていること、対象弁護士法人が所属する弁護士に対し、インセンティブ給与を支払っていること、およびこのインセンティブ給与が弁護士の売上高に連動するものであることは認めるが、その余は否認ないし争う。

第3 対象弁護士法人の主張
1 懲戒請求者の主張について
本件懲戒請求の理由は、詰まるところ、非監護者ないし非親権者の子に対する面会交流の要求を全部ないし一部阻止するという弁護士の活動は、弁護士の使命に反し、その達成により弁護士報酬を得ることは、面会交流権という親子の基本的人権を侵害し、公序良俗に反するというものである。
その理由として、懲戒請求者は、①静岡地裁浜松支部平成11年12月21日判決及び民法766条を挙げるが、後述する通り、最高裁判例及び現在の判例実務の趨勢は、面会交流を実体的権利ないし実体的請求権として認めておらず、いわゆる面会交流権について、法的権利であるとしても手続的権利(子の監護のために適正な措置を求める権利)と解している。
2 判例について
(1)まず、最高裁昭和59年7月6日決定(家月37巻5号35頁、判タ539号325頁)は、面会交流を認めなかった原決定が憲法13条違反として抗告された事件において、面会交流を認めるかどうかは、子の監護に関する処分について定める民法766条1項または2項の解釈運用の問題であって、憲法13条の問題ではないと判示した(乙1)。
(2)次に、最高裁平成12年5月1日決定(民集54巻5号1607頁、家月52巻12号31頁、判時1715号17頁、判タ1035号103頁)は、面会交流の権利性について判断せず、別居中の夫婦であっても家庭裁判所は民法766条を類推適用し、面会交流について相当な処分を命ずることができると判示した。それゆえ、同決定は、面会交流権について、面会交流を求める請求権ではなく、子の監護のために適正な措置を求める権利であることを示したものと解されている(乙2)。
3 民法766条について
(1)上記判例を受け、平成24年4月1日に施行された民法766条1項は、面会交流等子の監護に関する事項を協議で定める際、「子の利益を最も優先して考慮しなければならない」と規定し、面会交流を実体的権利ないし実体的請求権として規定せず、監護の一態様とした。
つまり、同条は、面会交流等子の監護に関する事項を協議で定める際、監護親側や非監護親側の利益など考慮すべき事情が多々ある中で、「子の利益」を最優先で考慮しなければならないとするものであり、面会交流を原則的に認めて実施することが「子の利益」に適うとの結論を示したものではない。
よって、民法766条を理由として、弁護士が必ず面会交流の実現に向けて努力しなければならないということにはならない。
(2)なお、面会交流事件が増加する状況下で、事件の迅速処理を目指すという制度的運用の立場から、面会交流は原則的に実施すべきという見解(原則的実施論)が一時期台頭したことはある。
しかし、原則的実施論は、「子の利益」に適うか否かの判定が困難な事案において、家庭裁判所が調査官等を通じ、心理学や精神医学等の知見を借りながら具体的事情を比較考量して検討し、判定するという努力を放棄する危険な判断手法と考えられており、家庭裁判所の実務は一貫して、子の利益の観点から被監護親と監護親双方の事情を総合的に比較衡量して、いずれが子の利益に適うかを審理判断している(乙3)。
4 対象弁護士法人の活動について
よって、面会交流は、「子の利益」の観点から非監護親と監護親双方の事情を総合的に比較衡量するものであり、対象弁護士法人が非監護親の面会交流の要求に対し、全部ないし一部を阻止するべく活動するのは、監護親の事情を代弁ないし援助し、引いては子の利益を達成するためであり、何ら弁護士の使命に反することはない。また、その活動の対価として報酬を得ることが、弁護士としての信用を害し、品位を失う非行となることもない。
5 結論
よって、懲戒請求者の請求には理由がないことは明らかであるから、速やかに対象弁護士法人を懲戒しないとの決定をすべきである。

以上

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